グロースハックの4つの事例とその考え方と実際に試してみたメアド獲得の方法について

カテゴリー experience

先日、いつもお世話になっているMakeLeaps
代表Jasonによるワークショップに行ってきました。
題して『Growth Hackingを実践してユーザーを獲得しよう!』というもので
これはストリートアカデミーを通して企画されライトニングスポット
開催されたものです。スタートアップに関わる方々30名ほどが集まっており、
みなさま真剣な姿勢で熱気がムンムンと伝わるワークショップでした。


それもそのはずでこのワークショップ・セミナーは
最近よく話題にされるグロースハックについて、
Jasonの実体験に基づいたものだったからでしょう。
彼が創業者でもあるMakeLeaps(クラウドで請求書を
管理するサービス)のユーザー数増加を以下のグラフで
ご覧いただければわかる通り、約1年で爆発的に
利用者を伸ばし、成長曲線に入っています。


makeleaps_grow

今や6,000以上のフリーランサーや企業と取引のある
このMakeLeapsですが、利用者を増やしていた施策について
今回のワークショップ・セミナーでは赤裸々に話してくれました。


話しを聞いていて特に効果が高そうだな、と感じたものが
基本的ではありますが、ターゲットとなる人々に愛されるコンテンツを作ることですね。
MakeLeapsではサイトの参考資料のページにこれまで
作ったコンテンツを掲載しておりますが、特に
しょぼいプレゼンをパワポのせいにするな!
これが欲しかった!都内すべてのコワーキングスペース一覧
こちらの2つからは物凄い数の流入があったと言います。
後者などもはや一つのサイトっていうボリュームですよね。


またもう一つの効果的だったという施策は
Facebookページの活用だそうで特に
エクセルとMakeLeapsを対比した投稿は
評判がよくここからも多くの流入、ユーザーを
獲得してるとのことです。ラーメンズが出演していた
いつぞやのAppleのCMっぽくて面白いですよね。

makeleaps_facebookpage

と、Jasonの講座内容の紹介はここまでにして、
(興味のある方はこちらから詳細を確認してみてください。
”受けたい”を押しておけば開催が決まり次第、お知らせがきますよ。
もっともっと面白いお話が聞けるかと思います。)


今回はこのようにMakeLeapsも積極的に実践している
グロースハックの具体的なTips例についてご紹介していきたいと
思います。ご存じない方のためにグロースハックについて簡単に説明すると
要は「お金をかけないで、効率的に顧客を獲得していくこと」といえるかと
思います。(色々な認識があるかと思いますが僕はそう思ってます。)


僕も今、”ド”がつくほどのスタートアップに関わっており
このグロースハック的な仕組みを取り入れようと色々と事例を
チェックしているので、以下にいくつか面白いと
思ったものを紹介しますね。


・グルーポンのランディングページ


groupon_landingpage

A/Bテストの結果、フッターに設置するメニューリンクが
無い方が獲得率が高いのことがわかったそうです。
しかしSEO的にはあったほうが検索上位に表示されますよね。
よってグルーポンはソーシャル専用のランディングページを設け
ソーシャルメディアにリンクを流す時はそこに
リダイレクトするようにしたとのことです。



・ウォールストリートジャーナルのFREEWiFi


WSJ_WiFi

これは面白いですね。NYの中でも人々が多く集まる場所
(タイムズスクエア、ユニオンスクエア、SoHoなどなど)に
WSJはFREEWifiを設置したそうです。もちろん無料でWiFiを
提供して終わり、ではなくアクセスしたらWiFiを使用するための
名前、Eメール、パスワード、職業の入力を求められます。
それは以下の写真のように人々の注目を最も集めやすい
人の顔を載せたランディングページと共に、です。
ここでどのデバイスでもWSJを閲覧できるよ、という
メッセージを強く植え付けているわけですね。

WSJ_mail
そしてその後送付される職業に最適化された記事と、
名前を挿入したメールには4週間の無料購読特典が付いてきます。
もちろんここにも人の顔を採用した写真が使われており、
メールを受け取った人々に強い印象を与えるとのこと。
WiFiの提供をユーザー獲得する手段に使うとは面白いですよね。
(人は人に注目する、というのも覚えておくべきです。)


・Quoraでコンテンツを読む際はサインアップを強要される


Quora_signup
専門性の高い人々に質問できるサイトQuoraの事例ですが、ここは
グロースハックのお手本とも呼べるサイトですよね。
(他に多数の有名な事例があります。)
非ユーザーによるサイトのコンテンツ閲覧時に
サインアップを求めるのは今や多くのサービスで当たり前の
ものになっていると言えるでしょう。

このQuoraの事例でわかりやすい流れがあるので
簡単に説明します。

1.ソーシャル上で友人がQuoraからポストした質問をみる

2.友人のリンクをクリックしてサイトへ飛ぶ

3.サインアップを強要されアカウントを作成する

4.それっきりQuoraを利用しなくって数日後、
  Quoraから注目のQ&Aリストがメールで届きサイトへ行く

5.着地先には他にも関連性のある質問が並んでいる

6.興味のある質問をソーシャルへシェアする→1に戻る。


1−6が順番に回っているのをお解り頂けますでしょうか?
面白いですよね。


・Pathは友人が自分に対して行ったアクションの履歴をすぐに
 みれるようにしたことでアクティブ率が10倍になった。


Path_friends

人は他人に認められたいもの、それをダイレクトに可視化させて
あげることでリテンションが高まったといいます。


他にもAirbnbのCraigslistとの連携(ホストとして部屋を
登録するとボタン一つでクレイグスリストに登録できる)や
Dropboxの追加容量をGETできる友人招待の仕組みなど
有名な事例は色々とありますがなるほど、と思うのを
今回は抽出して挙げてみました。

そして以下はこういったグロースハックを行う上での重要な考え方です。


・AARRRのファネルが激減しているところにフォーカスすべき
これは前に書いた以下の記事で説明した部分です。
本当にこれが基本の部分だと思うのでぜひご覧ください。
サービスを成功に導く成長エンジンとそのKPIを向上させるファネルという考え方


・人々はどこから流入しているのか全てのリンクにタグを張って計測せよ。

bit.lyの活用はもはや基本中の基本ですよね。


・ランディングページはテストしまくれ。

今はunbounceoptimizelyなどの便利なツールがありますので、
こういったエンジニアの協力が必要な施策を行うのも随分楽になってきました。


・ソーシャルメディア経由からのランディングページを最適化せよ。

つまりユーザーごとにサイトに訪れる文脈が違うわけでそれぞれに対して
最適化しましょうということですね。モバイル対応は当たり前として
少し面倒くさいかもしれませんがサーチ、twitter、facebookくらいは
ランディングページを変えたほうがいいかもしれませんね。


・ユーザーに戻ってきてもらうのにEメールは基本

ステップメールという手法はすごい効果的ですよ。
売れるネット広告社がこのやり方については一流だと
思いますがこのノウハウは抑えたいところですね。
これはMixpanelCustomer.ioなんかで対応できるかと思います。


・ユーザーアクション後はソーシャルメディアへ流す仕組みを

これも基本でしょう。特にユーザーにコンテンツを作ってもらう
必要があるサービスの場合は他プラットフォームに流せる仕組みは
設けておくべきでしょうね。先に紹介したQuoraみたいに。



ちなみに僕が今関わっているポケットコンシェルジュでも
見込み顧客のメールアドレス獲得という面において色々と
実験をしたのですが、1番効果が高かったのはFacebookページの
Promoted Post(投稿の宣伝)です。
獲得が見込めうるブログのFacebookへの投稿を既存のファンと
その友人に向けてリーチさせるために広告を打ったのですが、
そうするとブログの「いいね!」がドカッと増えます。
(ブログの選定はもともと評判が高かったものでもいいですね。)

約1,500人にリーチし、そこから1割程度はブログに訪れ
そこから約5割はいいね!を押してくれました。
つまり75人ほどですね。そして今回の目的は
「メアドの獲得」でしたので僕が行ったことは
ブログの冒頭に「招待登録をする」というボタンを
設けたことです。そこからメアド登録ページへの流入(メアド登録)が
伸びてCPAは100¥を下回ることができたのと同時に
いいね!による拡散(認知)も広がったので
比較的効果的だったのではないかと思っています。
(もちろん最後にもボタンは設けましたが、上の方がCTRは良かったです。)

pocket_concierge_blog

予算は多少必要になってきますがFacebook広告を活用し、
チューニングとよいコンテンツを作っていけばもっともっと
効率的にユーザー獲得ができると思います。リスティング広告と
共に最適化していけば絶対に効果は上がりますよね。
(レストラン名+予約+場所のニッチキーワードで試してみます。)



以上、少し長くなってしまいましたがMakeLeapsの
グロースハックの話しに始まり、具体的な実践例、考え方、
そして実際に行ったメアド獲得の方法についてまとめてみました。

どう既存のツールを”ハック”すれば、効率よく目的を達成できるか、
それを考えるのはすごい面白いですが、実感しているのが
やはりコーディングの力は多少必要だということですね。
グロースハッカーはマーケターとプログラマーのハイブリッドモデルだ」と
言われたりもしますが、まさしくその通りだと思います。
こちらのブログも参考になりますので、ご興味ある方はぜひ。


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