「Founders at Work/33のスタートアップストーリー」を読んで、刺さった一節をまとめてみた

カテゴリー future


ここ最近サービスアイデアを考えたり、コードを書いたりしています。
そんな合間をぬって「Founders at Work」という本を読みました。
どういう内容かというと33人のシリコンバレーを拠点とする
起業家達が創業から成功までの経緯を語る
インタビュー形式の実話本です。


Paypalから37signals、さらにはYcombinator主宰の
ポール・グレアム氏によるViawebなどと
とても興味深いスタートアップの
起ちあげ時のストーリーが収められています。


僕自身、これからWEBサービスを起ち上げる身として
このようなリアルな経験談は参考になるだろうと
思い購入して読んだのですが、スタートアップの
創業者がぶつかる壁や葛藤、そして考え方を
十分なまでに知ることができる良書でした。


その中でも特に印象に残ったそれぞれの
スタートアップの創業者達が語る一節を今回は
備忘録も兼ねて書きだしてみました。
以下に抜粋する内容はスタートアップに
携わる方々だけではなく、何か新しいことに
チャレンジしようと考えている方々にとっても
非常に有益な言葉となるでしょう。


文字通り、テクノロジーの力で世界に大きなインパクトを
与えた当事者達の言葉です。あなたはここから何を感じますか?

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マックス・レブチン
Paypal
インターネットを利用した決済サービス


・よい共同創業者をもつことですね。全ては人だと思うんですよ。
 ペイパルが成功した理由は、大きく考えるとピーター(ピーター・シール)を
 共同創業者に持てた幸運のためだと思います。

・毎日何かしら気になることがありました。私は4年間もよく眠れないでいました。
 急成長を遂げて注目を浴びている会社の技術面に関わっていると、いつも
 何かしらの心配事がついて周ります。


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サビール・バティア
Hotmail
ウェブメールサービス

・ビジネスプランとは、あなたの目の前に座っているわけではない人
 つまり、ビジネスプランを読む想像上の人とのコミュニケーション以外の
 何ものでもありません。人が感じるはずのあらゆる疑問に答えようと
 努力してみましょう。それがビジネスプランを書くということなのです。


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スティーブ・ウォズニアック
Apple
コンピューターメーカー

・最高の倫理観を持つように努力して、ものごとに対して
 オープンで真摯な態度を取り、隠さないことです。
 人を欺いてはいけません。自分がよい目標を持つよい人間だと言うことが心から
 言えるようにしてください。それが自分に対する自信や技術的能力への自負に繋がります。
 素晴らしいものを求めるべきです。


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ジョー・クラウス
Excite
検索エンジン

・契約がとれず、落ち込んでいた時、相談した彼は言いました。
 「まだ負けていないんだ。ネットスケープの人達と交渉しなさい。
 ネットスケープのロビーにアポ無しで出かけなさい。」私達は言われた通りにしました。
 ネットスケープに絶えず電話を掛け、まるで入札が終わっていないかのように
 行動しどっと落ち込みました。すると幸運が舞い降りてきました。

・「成功の50%は幸運、残り50%がその幸運を迎えるための準備だ」
 これは当たっていると思います。チャンスが生まれた時に
 そのチャンスを利用できる状態になっているということです。


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ダン・ブルックリン
Software Arts
ソフトウェアメーカー(表計算ソフトのビジカルクなど)

 Q.「これは大当たりしたぞと確信したのはいつですか?」
・A.私の知らない普通の人達がスプレッドシートを知り
 当たり前のものと感じるようになった時にそう思いました。
 ウォール・ストリート・ジャーナルに載ったワシントンの予算についての
 論説で「ビジカルク・スプレッドシート」という言葉を見た時に、来たと思いました。


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ミシェル・ケイバー
Lotus Development
ソフトウェアメーカー(こちらも表計算ソフトが有名)

・私にとってもっとも重要なことは「ビジネスを成功させたいので
 力を貸してください」などと言うような人とは仕事をしたくないということです。
 自分がしていることに信念を持って、情熱と努力を注ぎ込んでいるような
 起業家と仕事をしたいものです。


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レイ・オジー
Groove Networks
グループウェア

・自分たちは世界を変えるのだという信念が社員たちを支えていました。
 多くのスタートアップはそういうものだと思います。
 自分がしていることに対する信念には力があります。
 前進を続け、様々な変化に対応し、多くの不確実性を
 乗り越えていけるのは信念があればこそです。


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エバン・ウィリアムズ
Bloggger
ブログサービス、のちにTwitterを立ち上げる

・妥協は素晴らしいものを度々ぶち壊してきました。
 腹の底から信じられる事以外には耳を貸してはいけません。
 他人からのインプットを評価しないわけではないのですが、時にはそれを
 無視するだけの強さも必要と言いたいのです。
 他人にはわかっていないことを自分がわかっているなら、それは協力で
 他にものとはちがうので大事に守ったほうがよいでしょう。
 誰もが同意するようなことは、おそらくオリジナルな部分のないことです。

・幸運は様々な形をとってやってきます。物事がその通り動かなくても
 プラン通りに動くようにすべきということです。いいか悪いかは少なくとも
 後になってみなければわかりません。

・非常に単純なことが成功することに驚きました。単純なものは偉大です。


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ティム・ブレイディ
Yahoo!
ポータルサイト

・まずは「自分を知れ」ということですね。予めどこが限界かについてよく考えてから
 始めることです。なぜ参加しようとしているのか、いつ辞めるのか、朝起きたらどう思うか
 何が起きたら朝起きられれなくなるか予めあらゆることを考えておくことです。
 気まぐれに何かを始めてしまい、感情的になってしまう人を私は沢山みています。


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アーサー・ヴァン・ホフ
Marinba
ソフトウェアディストリビュータ

・始めてスタートアップを起ち上げる時、多数の人が関わります。
 多くの人々からアドバイスをもらいますが、そのアドバイスは必ずしも
 最良のアドバイスではないことがあります。
 自分の直観では違うことを考えながら、経験を積んだ人のアドバイスに従う
 ことがよくあります。そして、あとで振り返ってみると
 「自分の直観通りにしておけば、もっとうまくいっていたのに」と
 思うことがまれにあります。


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ポール・ブックハイト
Gmail
ウェブメール

一時私がよく人に尋ねていたことがありました。
弾丸が10万もある中でロシアンルーレットをする場合、いくら払えば
1ラウンド付き合ってくれるかということです。非常に多くの人達がこの質問に
腹を立て、「いくらくれてもそんなことはやらない」と言いました。
しかし、私達は毎日にこういうことをしているのです。
金を稼ぐために車で仕事に行くのですから、いつもリスクを背負っているのです。
しかし、彼らは自分がリスクを背負っていると認めたがりません。
彼らはあらゆることにリスクがないと思い込みたいのです。


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スティーブ・パールマン
WebTV
TVに接続して使用するインターネット端末

・スタートアップにとって最悪なのは創業者チーム。あるいは主導的な立場にある人が
 仲違いをしたときです。特に、社員の前で彼らが仲違いをすると危機的になります。
 大規模で長年に渡って携わっている事業を持つ企業なら、会社のトップがそれほど
 偉大でなくても、何とかやっていけます。しかし始まったばかりの会社ではあまだ何も
 得たものはありません。スタートアップを成功させたければキープレーヤーの間にとてつもなく
 強い絆やしっかりと波長のあった世界観が必要です。


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マイク・ラムゼー
TiVo
家庭用ビデオレコーダ

・リプレイ(競合)は一線を超えて、私達にとんでもないプレゼントを
 してくれました。従来のメディア会社は砂の上に線を引いているのです。その線が
 どこにあるのかはわかりませんが、その線を踏み越えるとか彼らはあなたを襲ってきます。
 リプレイはCMの自動スキップ機能をつけて、一線を踏み越えました。
 CMを早送りする必要さえなくすという機能です。リプレイは、CMの位置を見つけ出して
 取り除いてしまうのです。しかも、リプレイはインターネットで番組を共有できるように
 しました。これは一線を踏み越える行為でした。彼らは訴えられ、悪者にされ、
 おかげで私達は善玉になりました。


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ポール・グレアム
Viaweb
ウェブベースソフトウェア

・最初の顧客たちには、顧客として獲得するために
 彼らがいた事は基本的に何でもしました。
 彼らが必要とする間、無料でソフトウェアを提供したり
 サイトを私たちで作ったりしてました。
 イメージが必要なら、私たちがイメージをスキャンしました。
 私達はユーザーを必要としていたため、基本的にWebコンサルタントになっていました。
 こういったものはユーザーなしで起ち上げることはできません。

・ユーザーがヴィアウェブを喜んだのはなぜかというと、
 一番大きいのは簡単だということだったからだと思います。
 世界中のほぼ全てのソフトウェアは、壊れているか使うのが難しいのどちらかです。

・私達のソフトウェアでは、かっこよく表示される
 サイトを作れるようにしました。単にライバルよりも
 いいというだけではなく、大企業が50万ドルを払って
 ウェブコンサルタントに作ってもらったサイトよりも
 よりよくするということです。

・それほど危険ではない競合企業として
 ショップサイトというのがありました。この会社はユタ州にありました。
 つまり、スタートアップの世界に繋がっていなかったのです。

・ヴィアウェブを買収しようと考える人はいつもいました。
 私達がフレッド・イーガン(COO)を見つけたときも買収を
 したいという会社が現れました。それは日本企業で
 後に私達のソフトウェアの模倣品を作って
 日本で大成功を収めています。名前は楽天です。

・銀行に入金されるまでは契約だとは思ってはなりません。
 最終的な契約書にサインするために部屋に入った時でも
 10%くらに確率で契約が流れる可能性があります。
 「あなたの会社を買収したい」と言われた段階では、話が
 流れる可能性は80%から90%くらいあると思います。
 どこからか買収のオファーが届いたら
 それに基づいて計画を変えてはなりません。

・私でも顧客に買ってもいいという気持ちにさせることはできました。
 そのためのコツとして覚えたのは、本当のことを言うということです。

・資金調達は、ビジネスの他の部分と比べて
 非常に恐ろしい意味を持っています。他の問題とは違い
 資金がなくなれば仕事を続けられなくなります。 
 他人のなすがままになってしまうのです。
 資金調達をしなくても済むようにすむ方法は
 金を使わないことです。
 何を擦るにも出来る限り安く済ましましょう。
 みじめに安くではなく、クールなボヘミアン風に安くです。

・(投資家として)そもそもスタートアップの
 経験のない人が起業家を選べるのかなと思いますよ。
 どうやって見分けるんですか?私はよく
 わかっていないなという感じの人と会いますが
 「ああ、私達も全くおなじようにわかっていない感じだったなぁ」と
 思います。私達が投資するのはそういう人たちです。


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ジョシュア・シャクター
delicious
ソーシャルブックマーク

・最も重要なことは削減すること
 やり終えておかなければならないことをやり終えるためには
 できる限りすることを減らすべき
 1つにまとめたい2つのことがある場合、1つになるまで
 余分なものを取り除く必要がある。そうすればより良く理解できる
 大きくするということは、問題から外れていくということ
「長い手紙になって申し訳ない。短くする時間がなかったんだ」


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クレイグ・ニューマーク
Craigslist
地域情報コミュニティサイト

・自分の本能と道徳の尺度を信じましょう。善は強いのです。


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カテリーナ・フェイク
Flickr
写真共有サービス

・これ以上よいタイミングもなかったでしょう。
 ブログ、ソーシャルネットワーク、カメラ付き携帯
 どこでも使えるネットワーク、ブロードバンドの突然の
 普及といったことがすべて重なっていました。


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チャールズ・ゲシキ
Adobe Systems
ソフトウェアメーカー

・どのようなビジネスでもある時点でピークを迎え、そこからは
 おそらく下り坂に入ります。ですから、5年、10年先の
 会社がしているはずの事業に投資していく必要がある。
 スタートアップにはそういう感覚がある

・仕事をしようとしていることに情熱を感じないのなら
 起業はやめたほうがいい。


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デビッド・ハイネマイヤー・ハンソン
37signals
ソフトウェア開発チーム

・「製品のビジョンでは、開発に100万ドルかかるような感じがする場合には、
 頭のなかにあるアイデアの対象範囲を狭めて10万ドルで作れるようにして、
 製品を早く作ったほうがよいでしょう。製品のサイクルを一年ではないく、一ヶ月に
 するために何ができますか?」

・人と直接会うと、30分くらいは簡単に話し込んでしまいます。
 それだけ時間を使ってやり取りした情報にどれだけの価値があるのか
 考えてみたほうがよいでしょう。

・ユーザーが欲しているものとプロダクトが完全に一致することは稀です。
 そうではなく、ユーザーが必要とする80%を目指すと、スイートスポットに
 入る可能性が出てきます。


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ステファン・コーファー
TripAdvisor
旅行口コミサイト

・「あなたから頂いた資金で、ビジネスとマーケティングを担当する取締役としてこの
 人物を招きたいと思っています。」と言ってその人物の履歴書をいつでも見せられるように
 しておきたいものです。


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ジョームズ・ホン
HotorNot
ルックス評価サイト

・起業家として下す決断として最も難しいのは、ホットオアノットが作られる
 何年も前に下した決断でした。「私は起業家になるぞ」という言葉は
 本当は「普通の安全で道筋がはっきりしているルートはきっぱりと忘れるぞ。
 高いリスクを払って高い報酬を求めるんだ」という意味です。
 自分たちが何をしていくのかわかる前に起業家になると
 決断していたということです。


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ミナ・トロット
SixApart
ブログサービス

・私達にはいつも大きな志しがありましたし、「勝ちたい」という気持ちがありました。
 しかし、勝てるという考えになったことはありませんでした。これはいいことだったと思います。
 勝てるという考えにならないので、勝てないという気持ちにもならないのです。

・最終的に自分の製品を使うことになるユーザーとの間でコミュニケーションを
 絶やしてはならないということです。ともすると、部屋に閉じこもって1日中コードを
 書き続けるようなことをしがちですが、そうすると、人々が現実に抱えている問題を見失ってしまいます。
 ですから、人との対話を絶やさず、自分がしている仕事を磨き続けることが大切です。


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以上になります。いかがでしょうか?


ここから僕が大切だと感じたポイントを
3つ挙げますと以下になります。

1.何事もシンプルにシンプルにシンプルに進めるべき

2.スタートアップはとても辛く、大変で忍耐力が必要なもの

3.最初のパートナーが最も大切


特に3のパートナーとなる共同創業者の存在
意義のある起業を実現するには絶対的に
不可欠なものと言えるでしょう。
同じビジョン、価値感を共有でき信頼出来る仲間は宝です。
最近気づいた「何をやるかではなく誰とやるか」という言葉の本質
というエントリにも書いたのですが
やはり全ては一緒にやる””です。
とは言いつつも僕もまだ、共同創業者と呼べる仲間は
見つかっていませんが、それもタイミングです。
無理して作るものでも無いので
今は自分のやるべきことを着実に行なっていきながら
その適切なタイミングを待ちたいと思います。



最後になりますが、僕が見たい世界は
全ての人が自分の生きる意味を知っている世界」です。
その実現を目指して、上に紹介した大先輩である
アントレプレナー達が作ってきた道を行けるところまで行ってみようと思います。


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