スマートテレビの3つの衝撃

カテゴリー future, think
smarttv

世の中には大きな流れというものが常にあります。
うねりとも言うべきでしょうか。
例えば今、僕達がそのまっただ中にいるその
うねりと言えば代表的なものとしてスマートフォン、
クラウド、ソーシャルなどが挙げられるでしょう。


もう少しミニマムな視点としていうと
例えば「メイカーズ」や「エドテック」などの単語が
思いつくところですが、このような時代にあったトレンドが
世界中にで広がっているのを実感します。


同時多発的に起こるムーブメントみたいなもので、
WEB上からもそのトレンドを感じることができるわけですが
今僕が最も注目している”うねり”はタイトルにもある通り
これから確実に生活の中に浸透するであろう”スマートテレビ”です。
厳密にはスマートテレビそのものよりも、
それによって私達のライフスタイルはどのように変わるのか?、
その変化のキーとなるものはハード面からか、もしくはコンテンツからか、
はたまた別の要因か、などの側面に興味があるわけですが、
いづれにせよスマホに並び、スマートテレビは生活の在り方に
インパクトをもたらすであろうことはほぼ間違いないと感じています。


「この新しい概念」と書きましたがスマートテレビとは
”厳密にこれ”と指定できるものではありません。Wikipediaの説明でも
「現在のトレンドを表現するときに使われる用語」とあるように、概念として
捉えられるもので、そこでは通信キャリア、家電メーカー、IT企業、メディアなど
様々なステークホルダーがスマートテレビの中心に自らを位置づけようと
虎視眈々と狙っているのを感じることができます。
(※個人的には
1.アプリの追加ができる
2.SNSのと連携している
3.スマホやタブレットがTVと連携している

の3つが揃ったものがスマートテレビだと考えています。)


スマートテレビ関連企業の動向に関しては
総務省が出しているこの表を見て頂くのが
一番分かりやすいかと思いますが、出てくるサービス名を
見るについけ米国に大きく差を付けられているのは
お解り頂けるところでしょう。


主なスマートテレビの動向

中でも韓国の2大メーカーであるサムスンLG
スマートテレビへの力の入れようは目を見張るところがありますし、
コンテンツを直接TVへ配信するオーバーザトップコンテンツと呼ばれる
NetflixやHulu、そしてタブレットの普及は注目に値します。
また海外ではすでに「Samsung Apps」「LG Smart World
Google TV」などを通して、サードパーティによって開発された
アプリが毎日数万件以上もダウンロードされていると言います。



そのようにまだまだ米国の状況には及ばない日本ですが、
現場でもまだまだ課題だらけなの実感しているところです。
例えばこれまでの「番組を放送する(届ける)」という
一方行的な考えでは及ばないものになり得るスマートテレビでは
これまでの制作スキルとは違ったITの知識やノウハウが求められることは
確実でしょうし、それ以前にどのようなコンテンツが受け入れられるか
またその新しい概念の中でどうビジネスモデルをあげるか
はたまた最適な操作性はどうあるべきか、など
いくら米国での先行事例があるにしても、
未だに確立していない概念でもあるため、超えなければ
いけない壁だらけなのは間違いありません。
スマートテレビの概念に包括されるソーシャルTVの分野でも
すでに現場から大きな悲鳴があがっています。


そんな中ですがNHKがハイブリッドキャストという
放送と通信の連携させた新しいサービスの開発に
取り組んでいます。これも非常にアグレッシブな取り組みで
あると言えるでしょう。動画をご覧頂ければお解り頂けるかと。





ほぼ全てが「実験段階」とも呼べる状態ですが
果たしてこのような劇的な変化を迎えた先には
どのような世界が待っている&考えられるでしょうか。
その未来の一部が「スマートテレビが変える家庭学習」という
セミナーで触れられていたので以下に僕の見解も含めて
スマートテレビが実現しうるインパクトを3つの特徴を元にご紹介します。



①マスへ届く



マスメディア


まず第一にリーチできる数がインターネットのそれとは
圧倒的に違うという点が挙げられます。
視聴率という指標でそのリーチ数ははじき出されますが
わずか1%でもそれは100万人を意味します。
インターネット関連の仕事をしている方なら
100万人へ情報をリーチさせることの難しさは
お解り頂けることでしょう。


リーチ数、そこがTVという「放送」と
インターネットという「通信」の一つの大きな
違いと言えます。一般世帯では99.4%、単身世帯でも
96.2%を誇るTVの普及率には改めて目を見張るものがあります。
同時にもう一つ忘れてはならない点がそれだけの数へ
同時に」届けられるという点です。
Twitterでのバルス!などの例にように
何百、何千万もの人々を同時に繋げられる体験
提供できるメディアは現状テレビだけでしょう。





②家族の中心にある



microcommunity



先に挙げた数字からもわかるとおり、
ほぼ100%の家庭の中心にはテレビが存在します。
言うなれば私達の最も身近な存在であり、最小の
コミュニティとも呼べる家族を引率する重要な立場を
テレビは担っていると言えるでしょう。


というのもスマートテレビを活用してニュースを見る、
SNSを活用する、買い物をするなどの行為は全て
家族間に自動的に共有されてしまうからです。
(居間にあるTVですからね)
”必然的に共有されるボード”それがまたPCやスマホと
大きく違う点であり、そのサイズ感の違いが人の消費活動において
どのような影響が与えるかとても興味深い点です。


ウェブはグループで進化する (原題:GROUPED)」では
人々は”最も親しい10人以下の知人から最も影響を受ける”
述べていますが、スマートテレビがもたらす未来を家族間の
切り口から考える際、この書籍は必読であると思います。




③3層階層を包括する



3layer




オフライン⇒家族
オンライン⇒インターネット
マス⇒テレビ

上記のように3層概念を包括する媒体こそが
このスマートテレビです。
また”テレビ(マスメディア)の情報は取り敢えず安心”という信頼
”嘘を嘘と見抜くスキル”が要求されるインターネットという混とん
いわば相反関係にある概念を含んでいるという点にも
興味深いところがあります。

またその包括的なスマートテレビに対して”ゲーム”
どういった立ち位置でコミットしてくるのか
こちらも可能性に満ち溢れる問いといえるでしょう。





以上、スマートテレビの衝撃と題して
3つの視点をご紹介しました。


「今をときめくテクノロジーを全て押し込んだテレビ」とも
例えられるスマートテレビですが、どのようなライフスタイルをつくりだすでしょうか。
Appleによってその可能性は現実になると感じる部分もありますが
それまではまず、ソーシャルメディアによる新たなTVとの
触れ合い方、活用の方法を実践していきながら、今後訪れる本格的な
スマートテレビ時代への準備を進めておきたいと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。