この前読んだクリス・アンダーソンの「わが愛しのドローン」という本に以下のような文章がありました。
“簡単にいえば、安く小さな新世代のドローンは、本質的にスマートフォンの飛行隊なのである。これまでにも増して、自動操縦装置のエレクトロニクスはスマートフォンのそれに似てきており、違いはソフトウェアだけである。1兆ドルの経済規模をもつ携帯電話産業に便乗することの利点は、技術的にも経済的にも驚くほど大きい。どうしていまパーソナルドローン革命が起こっているのかを理解したければ、ただ自分のポケットを見ればいいだけなのである。“
※クリス・アンダーソンは米WIREDの元編集長で現在はドローンを開発する3Dロボティックス社のCEO。
2014年から一般層にも普及しはじめたと言われるドローンを、見事に表している一文だと思います。ARPANETと呼ばれるアメリカの軍事目的のネットワークからインターネットが発達し、それが解放されてWEBが進化したように、ドローンも軍事利用から一般に解放されることで様々な利用用途が考えられます。もう既に実際、様々な用途で使われており、災害救助、自然環境のリサーチ、ジャーナリズムの活用、農作物の調査、スポーツの撮影、エンターテイメント、はたまた広告まで、これまでの方法にとって変わる新しいソリューションとして様々な分野で実用され始めています。他に有名なところだとAmazonがドローンで商品を配送する実験を始めた、というニュースなどは話題になりましたよね。その一方、一般個人の利用用途としては空撮か、もしくはスピードを競うレースが主でしょう。(ガチ勢はスピードレースにハマっているそうです笑)
空撮
スピードレース
また、以下のツイートは多少乱暴な予測ですが上記クリス・アンダーソンの言葉の延長線上にあると感じました。
自撮り棒とか、あと何年かしたらスマホはドローンみたいに飛べるようになるからすぐ滅ぶよ。そして常に持ち主の周りをふわふわ浮いてついてくるし、脳波で操作できるようになるし、敵の弾も消せるし、レーザーも撃てるし、ビッグコアの真ん中にダイレクトにダメージ与えられる。
— 中野 (@pisiinu) 2015, 1月 19
実際に持ち主についてくるドローンは開発されていますし(一般販売までもうすぐです)、このような未来はもうすぐそこまで来ています。
そのプライバシーの問題など、ドローンの技術に比べて法の整備がまだ追いついていない状況があります。そのグレーな状況をギリギリまで楽しもう!と、世界中のギークが今最も熱狂しているトピックのがドローンとのことです。(日本だと現状は模型飛行機の法律が適用されており、上空250メートル以上の高さを飛行させることが禁止されています)インターネットの黎明期を彷彿とさせるこのドローン、まだまだあるであろうその活用方法に可能性しか感じません。
またもう一つ。これから様々なモノがインターネットに繋がるIoTの時代が来ると言われています。家、電化製品、乗り物、衣類、工業製品などなど様々な「モノ」がインターネットと繋がる世の中になっていく中でインターネット、つまりソフトウェアの部分だけにフォーカスしすぎるのは少しナンセンスかもしれません。Internet of Thingsということで「Internet」だけではなく「「Things」の部分、つまりプロダクトの部分における理解が今後ますます重要になってくる気がします。それはインターネットに比べてアナログな側面かもしれませんがiPhone、テスラ・モーターズ、NESTなど見るにつけ、本当に世の中にインパクトを与えうるものとは、インターネットだけでも、モノ(ロボットも含め)だけでもなく、その掛け合わせのプロダクトかもしれません。ちょうどこんな記事も。
ドローンから、そんな未来を感じることができます。
余談ですが先日、最初のテスト飛行でドローンを海に沈めたばかりなのでまたお金を貯めて早く新しいの買います..泣